■ 第七天国 (1927)

神様を試してやるのだと我を張る上から目線の青年(チャールズ・ファレル)は、なんのことはない運(神)に導かれ地下から地上へ、そして眺めだけがとりえだったアパートの自室が“天国”へと代わる。運は“いつも上を見ている者”に開かれるのだ。そんな男の心の行方を祈るような目で見守る少女(ジャネット・ゲイナー)の慎ましくいじらしいこと。

始めは自身の身を守るために青年を頼っただけの少女が、徐々に青年に恋心を抱くも、ウブで鈍感な青年の心の行方に気をもみ続ける。そんな二人の微妙な心の動きが流麗なカットの積み重ねで見事に描き出される。サイレント映画で、こんなに丁寧かつ繊細なカット編集を観た記憶があまりない。

そして“戦争”は、地下でもまして天国でもなく「地上」の出来事であることが強調される。徴兵されアパートの七階(天国)で最後の別れを惜しむカップルたちと、大挙して戦地へと向かう兵士たちの隊列の「天」と「地」の高低の対比も象徴的だった。

あと、高低の妙といえば青年(チャールズ・ファレル)と少女(ジャネット・ゲイナー)の身長差!

(9月13日/シネマヴェーラ渋谷)

★★★★<!–

–>

引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。https://blog.goo.ne.jp/ponsyuza/e/12cdb0691d72863512545db6bc2b175c