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『永遠に僕のもの』@ヒューマントラストシネマ有楽町

『永遠に僕のもの』@ヒューマントラストシネマ有楽町

September 03, 2019

『永遠に僕のもの』@ヒューマントラストシネマ有楽町

舞台の1971年のアルゼンチンは穏やかな時代ではなかったはずだ。Wikipediaの「アルゼンチンの歴史」によれば、軍人が大統領になったり、その大統領が暴動で失脚したりで、完全に民政移管するまで、ここから10年以上かかっている。そんな社会不安は本作では無視されている。正確には、日本人の目には、無視されているように見える。

そんな時代には気晴らしが要るだろう。日本なら低俗なテレビ番組かもしれない。学校にも同年代の子にもなじめず、ドロップアウト気味の高校生カルリートスが関心を持ったのが同年代のラモンである。カルリートスは初対面の化学の授業で、ラモンの頭にバーナーの火を近づけ、殴り合いになるのはとても幼いが求愛行動と言えるだろう。しかし、同性愛的な直接の描写はない。ラモンのモデルの男は異性愛者らしい(犯罪歴に強姦幇助、強姦未遂がある)。ラモンの家で彼の父親に銃の手ほどきを受けたのは、当然の成り行き。

カルリートスは女が見ても、おそらく男が見ても、「青年版マリリン・モンロー」とまで言われた美形(またの名を「黒い天使」)。それは、当時のアルゼンチンの通説「犯罪者の容貌は類人猿に近い」(!)を覆したほどのスキャンダラスさ。カールした髪はブログ管理者が見ると、マーク・ボラン(T. Rex)のように見えた。だが、犯罪に走ると、一線を越えることに躊躇も罪悪感もかけらも見せない。殺し方も、背後から、就寝中と容赦がない。罪悪感もないが、楽しそうでもない。「死」を実感していない。だから「生」も実感していない。だから、「生死」の実感を得るために犯罪に走る。

そんな彼でもラモンが新しい相棒を見つけると、車に同乗させて事故を起こし、ラモンを死に追いやる(これがダサい邦題のネタ元)。無理心中をはかったのかはわからない。しかし、カネでも暴力でも手に入らないものがあることはわかったはず。常識、社会規範、罪悪感からは解放されているのに、「性」に関しては抑圧されているのはどこの国でもどの時代でも同じか。

カルリートスが「生」と「死」の実感を得たとしたら、それはラモンの裏切りがきっかけだったか。事故を起こすまでは「生」と「死」は十字架の記号か何かでも、死に損なった感覚は記号ではないだろう。モデルとなった当の本人は終身刑で今も服役中とか。美貌が失われた今、老醜こそ「生」と「死」の実感だろう(当方もこんなことを書ける年齢になった)。


永遠に僕のもの

引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。http://blog.livedoor.jp/turtle_and_owl/archives/80879885.html


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