パッドマン 5億人の女性を救った男 (2018年)

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv66126/

 

 以下、公式HPよりあらすじのコピペです(青字は筆者による加筆)。

=====ここから。 

 インドの小さな村で新婚生活を送る主人公の男ラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、貧しくて生理用ナプキンが買えずに不衛生な布で処置をしている最愛の妻ガヤトリを救うため、清潔で安価なナプキンを手作りすることを思いつく。

 研究とリサーチに日々明け暮れるラクシュミの行動は、村の人々から奇異な目で見られ、数々の誤解や困難に直面し、ついには村を離れるまでの事態に…。

 それでも諦めることのなかったラクシュミは、彼の熱意に賛同した女性パリー(ソーナム・カプール)との出会いと協力もあり、ついに低コストでナプキンを大量生産できる機械を発明する。農村の女性たちにナプキンだけでなく、製造機を使ってナプキンを作る仕事の機会をも与えようと奮闘する最中、彼の運命を大きく変える出来事が訪れる――。

=====ここまで。

 

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 こちらも、公開中に劇場に行きたかったのだけれども、行けずじまいになってしまった。やっとDVDで見ました。

 

◆生理、、、この不快なるモノ。

 まあ、想像はしていたけれども、それ以上にインドにおける女性の生理の扱いが非科学的すぎて、見ていてどよよ~んとなってしまった。映画だからデフォルメされているかも、とも思うが、案外あれが実態に近い描写なんじゃ、と思ったり。……確かに、日本でも女性は生理があるから“不浄”だなどと言われる風習があるけどねぇ。

 しかし、やっぱり、この話は“男性が”生理用ナプキンの製造に執念を燃やしたことが最大の問題なんだろう。もし、ラクシュミが女性だったら、ここまで変人扱いされることもなかったかと。タブーに触れることで白眼視されることは同じだとしても、“ヘンタイ”呼ばわりされることはなかったと思われる。しかし、だからこそ、男性がそこまで女性の厄介な“生理問題”に真剣に向き合ってくれたことに、頭が下がる思いだ。

 生理――。このウザさは、男には分かるまい。旅行に行くにも、着る服を選ぶにも、、、、まぁとにかく付いて回るのだ、女には、この生理ってモンが。おまけに、生理前後には体調に変化が起きて、これは個人差が激しいが、私の場合は、生理前になると激しい睡魔に襲われて困ったことが多々あった。生理痛もヒドいときは結構ヒドくて、私の場合は特に腰痛。こんなモンが毎月来るのだゾ、女には。生理が重い人は、寝込むケースもあるというし、本当に、本当に厄介なんである。

 そして、本作のテーマでもあるナプキン。今の日本ではそこそこお安く手に入るが、それでも、大体1か月で300円~500円くらいは絶対的にかかる。1年で3,600円、生理がある期間が長くて40年として、生涯ナプキン費用14万4,000円ナリ。昔は、もう少し高かったと思うし、人によってはもっとかかっているかも知れないし、いずれにしても、女であるがために問答無用で必要となる費用である。最近は、布ナプキンなるものが普及し、私は使ったことがないけれども、使ってみて「良い」と言う人も結構いるようだ。布ナプキンならエコだし、費用も紙より抑えられるのかも知れないが、私はどうも布ナプキンは試してみる気になれなかったなぁ。

 それに、本作でもちょこっと描かれていたが、経血トラブルが一番の悩みだ。気を付けていても、服を汚してしまうことはあり得る。だから、生理中は着る服にも気を遣わざるを得ない。白いスカートやパンツなど論外。

 ……こんなメンドクサイ問題を女たちが抱えていることなど、男は知らんだろう。興味本位で生理を知りたがっても、真剣に真面目に、女の生理の悩みを知ろうとする人が、一体何パーセントいるのやら。

 大体これは、女性が出産するための必要不可欠な身体の機能なのだ。子を産めと言うくせに、生理は“不浄”だなんて、よく言ったもんだと憤りを覚える。しかも、そういうことを言うのは男だけじゃないのよね。女自身が言うことも少なくないのよ。本作でも、ラクシュミの母親は何の疑問もなく、生理中の嫁を家から出している。自分もそうされてきたしね。

 だから、むしろ、そんな環境にあって、ラクシュミという若い男性が「妻のために清潔なナプキンを!!」などという発想を持つこと自体が、不思議でさえある。多くの人たちは、何の疑問も抱いていないのに。彼の育った家庭環境が特別リベラルとか先進的とかいうことは全くないし、一体、彼にどのようにしてそんな素地が備わったのか、、、それがとても興味深い。

 

◆女性の自立のために、、、。

 ラクシュミのモデルとなったムルガナンダム氏、公式HPに写真が載っているけど、なかなかの強面でナプキンづくりに奔走した人にあんまし見えない。その画像にはナプキン製造の作業場が映っているのだが、彼以外にも男性が働いている。あれほどタブーだった生理にまつわる仕事に、男性も参加できるようになったのだろうか。

 このムルガナンダム氏をモデルにしたラクシュミは、手先が器用だし、何でも“自分でやって(作って)みよう!”という思想の人なんだよね。学校には行っていなくても、きっと頭の良い、思考の柔軟な人なんだと思われる。こういうのって、やっぱし生まれつきなのかなぁ。

 本作は、男が生理ナプキンを必死に作ったオハナシ、、、という触れ込みなんだけど、私が感動したのは、彼がこのように簡便に安価なナプキンが作れるシステムを考案したことで、インドの多くの女性の自立を促すことにつながった、という事実。

 彼はこの一連の機械について、特許を取ろうとはせず、敢えて全て公開し、だれでもこのシステムを利用することが出来るようにした。インドで女性が自立することがいかに難しいかは、インド映画にもよく描かれているが、このシステムのおかげで、女性たちが、それも田舎の貧しい家庭の主婦たちが自分で稼げることを覚えた、というのは非常に大きな変革だろう。

 ムルガナンダム氏があの「TED」でプレゼンしている実際の動画をYouTubeで見たんだけれど、本作でのラクシュミが言っていたこととほぼ同じことをやはり言っていた。つまり、「自分だけが儲けたって意味がない。みんなに還元したい」ということ。実際は、もっとユーモアたっぷりに面白く話していたけれど。世の中、金・カネ・金!!って感じだけど、こういう人って本当にいるんだなぁ。

 ムルガナンダム氏、「女の人を追っ掛けたって逃げられるだけ。女性のために良いことをしていたら向こうから追い掛けてきた」みたいなことも言っていて会場の爆笑を誘っていた。本作内で、ラクシュミが実際にナプキンを身に着けた実験をしていたが、ムルガナンダム氏は5日間実験を続けてみたんだそうな。「あの不快さは忘れられない。全ての女性に頭が下がる」と言っていたけれど、本当に、男性がそんな風に女性の生理に向き合ってくれるなんて、嬉しいことだ。

 本作の白眉は、やはり、ラクシュミが国連でスピーチをするシーンだろう。あのシーンは、ワンテイクで撮ったということだが、演じたアクシャイ・クマールがとにかく圧巻だった。 「TED」でムルガナンダム氏が話していたことと被る部分も多いが、さすがは俳優アクシャイ・クマール。ちょっと、伊吹吾郎を細く若くした感じ?? 笑顔や話し方、間の取り方、身振り手振りは、魅力的な人物像を浮き彫りにする素晴らしさ。実際のムルガナンダム氏の朴訥とした感じも好感度高いが、俳優の優れた演技はやっぱりただもんじゃないと改めて思う次第。

 パリーの存在が実在するのかどうかは分からないが、微妙な恋愛感情に至る辺りは脚色だろう。演じたソーナム・カプールは美女で、都会の学のある自立した女性というイメージにピッタリだった。ラクシュミの妻ガヤトリのキャラと対照的に描いている。まあ、パリーとラクシュミの成り行きも、予想どおりの結果となる。

 

◆日本はインドを笑えない。

 生理に対する人々のリアクションについて、インドは確かにタブー感が過剰だと思うが、前述した生理の不快さ、辛さについて、男性がきちんと理解していないのは、インドと日本は大して違わない。

 今の教育現場を知らないけれど、私が小学生の頃は、4年生になると、「女子だけ授業」ってのが放課後にあって、生理について通り一遍のレクチャーをされた。男子は興味津々で、それこそコソコソとイケナイ話をしている感が漂う、私は女子として何とも言えない嫌な気持ちになったものだった。

 ああいう話こそ、ちゃんと男子にも聞かせて、興味本位ではない、科学としての性教育をきちんとするべきだと思う。大人が恥ずかしそうにしたり、タブー感を出したりするから子供は敏感に反応するのであって、動物の身体の仕組みを説明するように、人間の身体の仕組みを教えれば良いのだ。

 今どき、4年生では遅いくらいかも知れないが、とにかく、性教育を子供たちに正しくしてほしい。それが子供たちの身を守ることにもなるのだからね。

 

 

 

 

 

インドのヒーロー、パッドマン!!

 

 

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