映画の口コミ・評価をまとめたランキングサイトです。
Blog
  • HOME »
  • Blog »
  • 映画 »
  • 現金(げんなま)に手を出すな

現金(げんなま)に手を出すな

現金(げんなま)に手を出すな

現金(げんなま)に手を出すな

◇ジャック・ベッケル監督

◆ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、リノ・ボリニ(リノ・ヴァンチュラ)、ポール・フランクール、マリリン・ビュフェル、ドニーズ・クレール

 

『現金に手を出すな』(1954年、仏・伊合作。原題“Touchez pas au Grisbi)は、フレンチ・フィルム・ノワールの嚆矢となった作品とされる。

この映画が公開されて以降、日本の映画ファンの間で独特のムードを持ったフランスの暗黒映画をフィルム・ノワールと呼ぶという認識──正確ではないが完全な誤りとも言えない()──が広まり、一種の流行語となった観がある。

「現金に手を出すな」1事実、この映画のヒット以降、フランス製フィルム・ノワールが続々と日本で公開され、ジャン・ギャバン自身もこれ以降、最晩年に至るまでギャングのボスや闇の世界の大物をしばしば演じ続けた。

原題にあるGrisbiは、せしめた金、獲物、お宝といったニュアンスを持つフランスの俗語らしいが、これに「現金」という訳語を当て、「げんなま」というルビを振った日本の映画配給会社の担当者はなかなかの知恵者で気の利いた感覚の持主だったと思える。

『現金に手を出すな』はまず、引退を考えている初老のギャングが主役だという点に特異性がある。

ハリウッド映画にも老齢のギャングが登場しないわけではないが、主役という例は観たことがない。『ゴッドファーザー』の主人公ヴィトー・コルレオーネは老年だが、彼はマフィアのボスで、ギャングとマフィアは厳密に区別しなければならない。

「現金に手を出すな」4『現金──』では、体力の限界を自覚して引退を考え、安楽な老後を送るための準備としてオルリー空港で金塊8個(時価5000万フラン相当)の強奪に成功したギャングのマックス(ジャン・ギャバン)がそれを換金しようとするところから物語が始まる。

つまりギャング映画のハイライト・シーンであるべき金塊強奪が済んでしまってからの話で、マックスは若いころからの相棒リトン(ルネ・ダリー)と事件のほとぼりが冷めるのを待っていたのだ。

ところが普段から不注意なリトンは最近入れ込んでいるキャバレーの踊子に金塊強奪の秘密を洩らしてしまう。

その踊子は頭角を現し始めた麻薬密売組織のボス、アンジェロ(リノ・ボリニ)の情婦だったため秘密はアンジェロに筒抜けとなり、アンジェロは闇世界の大ボスの座をマックスから奪い取ろうとしてリトンを誘拐し、マックスに金塊との交換を持ちかける。

アンジェロは交換場所でマックスらを爆殺しようとした。しかし軽機関銃を用意して行ったマックスらに逆に撃ち殺され、リトンも銃撃に斃れる。

「現金に手を出すな」5ジャン・ギャバンは後に『地下室のメロディー』(1963)でも、引退前の最後の大仕事として大金を強奪しようとする設定に類似性のある初老のギャング役を演じているが、派手な銃撃戦などよりも人生の哀歓をしっとりと描くことに重点が置かれている点で『現金に手を出すな』の方が味わい深いフレンチ・フィルム・ノワールである。

註:『マルタの鷹』など1930年代末期から40年代初めごろにかけて公開されたハリウッド製のハードボイルド映画群をなぜかフランス語でフィルム・ノワール(暗黒映画)という。これに対して、戦後の50年代にフランスで製作された暗黒映画を英仏混合語で「フレンチ・フィルム・ノワール」と呼ぶのが映画史の常識になっている。

☆☆☆★


コメント

コメントフォーム


評価する

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット



引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。http://blog.livedoor.jp/cinemania2016/archives/20545677.html


人気ブログランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

カテゴリー

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.
Translate »